社長メッセージ

 日本港湾コンサルタントは、1961年(昭和36年)の創立以来、「社会貢献」の精神に基づき、国や地方公共団体と役割を分担して港湾・海岸・空港インフラストラクチャーの形成や自然環境の保全など、地球社会の調和ある共存に貢献してきました。この伝統を引き継ぎ、未来に向けて、豊かで自然と調和する社会の形成に貢献することは、日本港湾コンサルタントの重要な目標です。

一方で、今の地球を俯瞰すると、20世紀には想像もできなかったような急激な変化があらゆる分野で起こっています。インフラストラクチャーの分野も例外ではありません。気候変動の激化により今まで想定していなかったような大規模な自然災害の発生は、国の経済や人々の生活を不安にさせています。AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)、ロボティクス技術の発達は破壊的イノベーションを生み、インフラストラクチャーの在り方や運営を根本的に変える可能性があります。

さらに、専門技術の承継についてはどうでしょうか。港湾・海岸・空港インフラストラクチャーの専門技術を保有する専門家は、かつて国や地方公共団体に多く在籍していましたが、今や、国や地方公共団体は、所属する専門家が少なくなり、既述の新たな変化にグローバルに対応することができなくなりつつあるだけではなく、場合によっては専門技術の承継が危ぶまれる状況に陥っています。

このような急激に変化する状況下で、社会をよりよい方向に導くために、日本港湾コンサルタントは何をなすべきでしょうか。

幸い、日本港湾コンサルタントには、港湾・海岸・空港インフラストラクチャーの専門家集団として、創立以来60年にわたり、調査・計画・設計から施工管理まで一貫した実績とノウハウを国内外のフィールドで蓄積してきました。インフラストラクチャーの運営の分野でも実績とノウハウを蓄積してきています。また、専門家集団を構成する社員をみれば、社員それぞれが専門家集団にふさわしい多様な実績とノウハウを持っています。社員一人一人が主役です。これは日本港湾コンサルタントの誇りです。

しかし、急激に変化する状況下において従来通りの思考や専門技術の応用では通用しなくなると予想されます。本社社屋に、青山士の碑文「万象ニ天意ヲ覚ル者ハ幸ナリ 人類ノ為メ国ノ為メ」が掲げられています。個人的には、碑文の文意を、「変化(万象)に柔軟に対応する(天意を覚る)専門家が人や国のためになる」と理解しています。時代背景が異なっても、先ほどの問いの答えはこの碑文の中にあります。

今、日本港湾コンサルタントに求められていることは、港湾・海岸・空港インフラストラクチャーの専門家集団として、新たな変化に柔軟に対応できるリーディングコンサルタント役を果たすことです。場合によっては、専門家集団として国や地方公共団体へ積極的に技術提案することが求められることでしょう。このような期待に応えていくため、日本港湾コンサルタントは、民間企業としての柔軟性や機動力を活かし、国・地方公共団体・大学・研究所や、異業種民間企業と連携して、多様性に富む新しい技術を取り込み、常に最先端技術の担い手となることが必要です。また、専門家集団の主役である社員は、多様な実績とノウハウを活かして、世の中の変化や新しい技術を楽しみながら吸収し、積極的に活用することにより、自らの創造力や実践力を再発見し、育んでいく「ダイバーシティ&インクルージョン」が必要です。日本港湾コンサルタントは、創立時の精神を大切に、働きやすい社内環境の創出とともに、自らの役割を的確に果たすことで、港湾・海岸・空港インフラストラクチャーの分野における専門家集団として、社会に貢献し、社会の信頼を得られるよう全力を尽くしていきます。

2020年1月
代表取締役社長 高橋 浩二